福岡県の補助金はいつ公募される?年間の公募時期と準備のタイミング
結論
- 福岡県内の補助金は「県単独制度(6件)」「市町村単独制度(16件)」「全国型制度」の3層で構成されており、公募時期は実施主体ごとにバラバラです。県の制度の多くは複数次募集、市町村の制度は年度単位(4月〜翌年3月前後)で長期間受け付けるものが多いのが特徴です。
- 2026年7月19日時点で、久留米市の4制度、宗像市の3制度、飯塚市の2制度、福岡市のグリーンビル促進事業・省エネ設備導入支援事業、古賀市の太陽光発電設備導入補助金など、公募期間内で申請を受け付けている制度が複数あります。一方、北九州市の「中小企業の3E-Action応援事業」は例年5月中旬〜7月中旬の公募のため、2026年度分はすでに終了している可能性があり、公式サイトでの確認が必須です。
- 準備は「締切の1〜2か月前」から始めるのが実務上の目安です。特に賃上げ要件(事業場内最低賃金を30円以上引き上げる等)を課す福岡県の生産性向上・賃上げ緊急支援補助金や経営革新・賃上げ緊急支援補助金は、賃金台帳・雇用契約書の整備に時間がかかるため、早めの着手が必要です。
福岡県の補助金は「県」「市町村」「全国型」の3層構造
福岡県内の事業者が使える補助金は、大きく3つの層に分かれます。
1つ目は福岡県が県単独で実施する制度です。福岡県中小企業生産性向上・賃上げ緊急支援補助金、福岡県中小企業経営革新・賃上げ緊急支援補助金、福岡県脱炭素社会実現のための省エネ新製品開発支援補助金、福岡県脱炭素経営はじめの一歩応援プログラム、福岡県事業承継に向けた中小企業収益力強化補助金、福岡県移住支援事業(移住支援金)の6件が該当します。
2つ目は福岡市・北九州市・古賀市・宗像市・久留米市・飯塚市といった市町村が単独で実施する制度です。今回確認できたものだけで16件あり、上限額は10万円台から3,000万円まで幅があります。
3つ目はものづくり補助金、IT導入補助金、持続化補助金など、全国どこの事業者でも申請できる国の制度です。これらは福岡県の事業者ももちろん対象になりますが、公募スケジュールは福岡県・市町村の制度とは別に国が定めるため、本記事では扱いません。福岡県・市町村の制度とあわせて検討する際は、それぞれの公募要領を個別に確認してください。
この3層構造を理解しておくと、「今使える制度」を探すときに、まず狙う事業所の所在地(県内のどの市町村か)を起点に、県の制度と市町村の制度の両方を並行してチェックするという探し方ができます。
表:2026年度 市町村単独補助金の公募期間一覧(2026年7月19日時点で判明分)
市町村単独の制度は開始日・終了日が明確に公表されているものが多いため、一覧化します。
| 実施主体 | 制度名 | 2026年度公募期間 | 上限額 |
|---|---|---|---|
| 福岡市 | 新規創業促進補助金 | 令和8年4月1日〜令和9年3月31日 | 75,000円(株式会社の場合。合同・合名・合資会社は30,000円) |
| 福岡市 | 事業所の省エネ設備導入支援事業 | 例年4月上旬〜11月下旬 | 300万円(省エネ最適化診断受診時は600万円) |
| 福岡市 | グリーンビル促進事業 | 2026年4月1日〜2027年3月31日 | 3,000万円 |
| 北九州市 | 中小企業人材確保支援助成金 | 年度当初から随時受付(予算終了次第終了) | 40万円 |
| 北九州市 | 中小企業の3E-Action応援事業 | 例年5月中旬〜7月中旬 | 要確認 |
| 古賀市 | 中小企業等向け太陽光発電設備導入補助金 | 2026年3月13日〜2026年11月30日 | 450万円 |
| 古賀市 | 温室効果ガス排出量可視化システム導入費補助金 | 2026年4月1日〜2027年3月31日 | 15万円 |
| 宗像市 | 食のまち宗像推進補助金 | 2026年6月1日〜2026年12月25日 | 公募要領で確認 |
| 宗像市 | 宗像市創業応援補助金(“宗業”者応援補助金) | 2026年6月1日〜2026年12月25日 | 公募要領で確認 |
| 宗像市 | 宗像市がんばる中小企業者応援補助金 | 2026年6月1日〜2026年12月25日 | 公募要領で確認 |
| 久留米市 | 中小企業先端設備等導入支援補助金 | 2026年7月1日〜2026年12月28日 | 500万円 |
| 久留米市 | キッチンカー導入事業費補助金 | 2026年4月1日〜2026年12月28日 | 30万円 |
| 久留米市 | 小規模事業者デジタル化支援補助金 | 2026年6月24日〜2026年12月28日 | 20万円 |
| 久留米市 | 中小企業止水板等設置事業費補助金 | 2026年4月1日〜2026年12月29日 | 50万円 |
| 飯塚市 | 外国人材受入環境整備事業費補助金 | 2026年4月1日〜2027年2月28日 | 15万円 |
| 飯塚市 | 海外展開支援事業費補助金 | 2026年4月1日〜2027年3月31日 | 10万円 |
表からわかる通り、多くの市町村制度は4月〜12月、あるいは翌年2〜3月まで長期間にわたって受け付けています。県の生産性向上・賃上げ緊急支援補助金のように「複数次募集で締切が区切られている」タイプとは違い、市町村の制度は「予算がなくなるまで、または年度末まで」通しで受け付けるものが多いのが実態です。
福岡県単独の補助金は「複数次公募」が基本
福岡県が実施する6制度のうち、具体的な開始日・終了日が単一で決まっているものはなく、いずれも「複数次にわたり募集」「複数次の申請期限を設定」「年度内に複数次の募集」といった形で、年度を通じて何回かに分けて締切が設定される方式です。
- 福岡県中小企業生産性向上・賃上げ緊急支援補助金:複数次にわたり募集。大規模支援は上限2,000万円〜2,250万円、小規模支援は上限200万円〜225万円。補助率は2/3以内または3/4以内で、賃上げ額により異なります。従業員を雇用している場合、事業終了時までに事業場内最低賃金を30円以上引き上げることが条件です。
- 福岡県中小企業経営革新・賃上げ緊急支援補助金:複数次の申請期限を設定。経営革新計画の承認を受けた県内中小企業が対象で、上限は30円以上60円未満の引上げで120万円、60円以上の引上げで135万円。補助率は2/3または3/4です。
- 福岡県脱炭素社会実現のための省エネ新製品開発支援補助金:年度内に複数次の募集。上限500万円以内(賃上げにより上乗せあり)、補助率は補助対象経費の1/2以内です。材料・消耗品費、外注費、人件費、機械装置費などの研究開発経費が対象になります。
- 福岡県脱炭素経営はじめの一歩応援プログラム:排出量算定支援・削減目標設定支援は無料支援、計画策定支援は補助金(上限100万円、補助率1/2)として実施されます。先着順・定員ありのため、募集開始と同時に埋まる可能性がある点に注意が必要です。
- 福岡県事業承継に向けた中小企業収益力強化補助金:例年5月中旬〜9月末(複数次締切)。2026年7月19日時点ではこの想定期間内にあたりますが、これはあくまで例年の実績であり、2026年度の正式な締切は公募要領で確認する必要があります。上限50万円、補助率は1/2以内(小規模事業者は2/3以内)です。
- 福岡県移住支援事業(移住支援金):随時受付ですが、転入後1年以内に申請する必要があります。上限は単身60万円、世帯100万円(子ども1人につき最大100万円加算)で、東京圏等からの移住・就業要件があります。
複数次募集の制度は「今回の締切に間に合わなくても、次回がある」点が実務上のメリットです。ただし各次の予算枠には限りがあるため、早い回で応募したほうが採択の機会は多くなります。次回の締切日は制度ごとの公式サイト・公募要領で必ず確認してください。
2026年7月19日時点で「今から間に合う可能性がある」制度・「確認が急がれる」制度
今日の日付(2026年7月19日)を基準に、公募期間が判明している制度を整理します。
現在、公募期間内にある制度(2026年7月19日時点)
- 福岡県事業承継に向けた中小企業収益力強化補助金(例年5月中旬〜9月末の想定期間内)
- 福岡市事業所の省エネ設備導入支援事業(例年4月上旬〜11月下旬の想定期間内)
- 古賀市中小企業等向け太陽光発電設備導入補助金(2026年3月13日〜11月30日)
- 宗像市の3制度(2026年6月1日〜12月25日)
- 久留米市の4制度(2026年4月1日または6月24日・7月1日〜12月28日または29日)
- 飯塚市の2制度(2026年4月1日〜2027年2月28日または3月31日)
- 福岡市グリーンビル促進事業、古賀市温室効果ガス排出量可視化システム導入費補助金、福岡市新規創業促進補助金(いずれも2026年度〜2027年3月末までの長期公募)
確認が急がれる制度
- 北九州市中小企業の3E-Action応援事業:例年5月中旬〜7月中旬の公募です。2026年7月19日は例年の終了時期に近いか、すでに過ぎている可能性があります。申請を検討している場合はただちに北九州商工会議所または北九州市の公式サイトで受付状況を確認してください。
通年・予算次第で受付する制度
- 北九州市中小企業人材確保支援助成金:年度当初から随時受付、予算終了次第終了するため、検討している事業者団体は早めの相談が有利です。
- 福岡県脱炭素経営はじめの一歩応援プログラム:先着順・定員ありのため、定員に達し次第終了する可能性があります。
- 福岡県移住支援事業(移住支援金):随時受付ですが、転入後1年以内という申請期限があります。
このように、同じ「福岡県内の補助金」でも、締切が数週間しかない制度と、年度末までじっくり準備できる制度が混在しています。まず自社が対象になりうる制度をリストアップし、それぞれの締切までの残り日数を確認するところから始めてください。
準備はいつから始めるべきか
補助金の準備には、大きく分けて次の3種類の作業が必要です。
- 要件確認:事業所の所在地、資本金・従業員数などの中小企業要件、業種要件、賃上げ要件の有無を確認します。福岡県の生産性向上・賃上げ緊急支援補助金や経営革新・賃上げ緊急支援補助金は、事業終了時までに事業場内最低賃金を30円以上引き上げることが条件になっており、この達成見込みを事前に社内で検討しておく必要があります。
- 書類準備:事業計画書、見積書、決算書、賃金台帳、雇用契約書など、制度ごとに必要書類が異なります。特に賃上げ要件がある制度では、賃金台帳の整備や、引き上げ後の賃金水準を裏付ける資料の準備に時間がかかる傾向があります。
- 社内の意思決定・見積取得:設備投資を伴う制度(省エネ設備、太陽光発電設備など)では、複数の業者から見積もりを取る必要があり、これだけで数週間かかることも珍しくありません。
これらを踏まえると、実務上の目安としては「締切の1〜2か月前」に着手するのが妥当です。複数次募集の制度(生産性向上・賃上げ緊急支援補助金など)であれば、次回の締切を確認したうえで、今回に間に合わなければ次回に照準を合わせて準備を進めるという判断もできます。
申請までの実務フロー(例:賃上げ要件がある県の補助金の場合)
福岡県中小企業生産性向上・賃上げ緊急支援補助金を例に、実務の流れを整理します。
- 対象要件の確認:県内に事業所を有する中小企業者等であることを確認します。
- 賃上げ計画の策定:従業員を雇用している場合、事業終了時までに事業場内最低賃金を30円以上引き上げる計画を立てます。この引き上げ幅によって補助率(2/3以内または3/4以内)が変わるため、社内でどの水準を目指すか早めに決めます。
- 募集次の確認:複数次にわたり募集される制度のため、直近の締切と申請枠(大規模支援・小規模支援)を公式サイトで確認します。大規模支援は上限2,000万円〜2,250万円、小規模支援は上限200万円〜225万円です。
- 必要書類の準備:事業計画書、賃金引き上げ計画の根拠資料、見積書などを準備します。
- 提出:締切までに公募要領に沿って提出します。
- 交付決定後の着手:交付決定前に発注・契約を行うと補助対象外になる制度が一般的です(本制度の詳細な取り扱いは公募要領で確認してください)。
経営革新・賃上げ緊急支援補助金の場合は、これに加えて「経営革新計画の承認を受けていること」が前提条件になるため、経営革新計画をまだ策定していない事業者は、そちらの手続きから逆算して準備期間を確保する必要があります。
市町村制度は上限額が小さい分、要件がシンプルなものが多い
市町村単独の制度は、県や国の制度に比べて上限額が小さい傾向があります。例えば飯塚市の海外展開支援事業費補助金は上限10万円、久留米市のキッチンカー導入事業費補助金は上限30万円、古賀市の温室効果ガス排出量可視化システム導入費補助金は上限15万円です。
一方で、対象経費や手続きが比較的シンプルなものが多く、小規模な投資であれば市町村制度のほうが使いやすいケースもあります。例えば久留米市の小規模事業者デジタル化支援補助金(上限20万円、補助率1/2)は、デジタル化という単一テーマに絞った制度で、大規模な設備投資を伴わない事業者でも申請しやすい設計です。
逆に、福岡市のグリーンビル促進事業(上限3,000万円)や古賀市の太陽光発電設備導入補助金(上限450万円)のように、市町村制度でも投資規模が大きい制度もあります。上限額だけで「県の制度のほうが有利」と決めつけず、自社の投資内容に合った制度を個別に比較することが重要です。
見落としがちな注意点
- 補助率が賃上げ額で変動する制度がある:福岡県の生産性向上・賃上げ緊急支援補助金、経営革新・賃上げ緊急支援補助金はいずれも、賃上げ額に応じて補助率が2/3または3/4に変わります。どちらの水準を狙うかで補助額が変わるため、事前のシミュレーションが欠かせません。
- 申請主体が個別企業ではない制度がある:北九州市中小企業人材確保支援助成金は、市内の中小企業団体が実施する事業が対象で、個別企業単独での申請はできません。自社だけで申請できるかどうかは、制度ごとに必ず確認してください。
- 申請受付の窓口が市と異なる場合がある:北九州市の中小企業の3E-Action応援事業は、申請受付を北九州商工会議所が担当しています。問い合わせ先を間違えると手続きが遅れる原因になります。
- 例年の傾向はあくまで参考値:福岡県事業承継に向けた中小企業収益力強化補助金の「例年5月中旬〜9月末」、福岡市の省エネ設備導入支援事業の「例年4月上旬〜11月下旬」、北九州市の3E-Action応援事業の「例年5月中旬〜7月中旬」は、いずれも過去の実績に基づく見込みであり、2026年度の正式な公募期間ではありません。年度によって前後する可能性があるため、必ず公式サイトの公募要領で確定日を確認してください。
まとめ
福岡県内の補助金は、県単独制度(6件)、市町村単独制度(16件)、全国型制度に分かれ、公募時期も実施主体ごとに異なります。県の制度の多くは複数次募集で年度を通じて締切が区切られ、市町村の制度は4月〜翌年2〜3月にかけて長期間受け付けるものが目立ちます。
2026年7月19日時点では、久留米市・宗像市・飯塚市・古賀市の制度や福岡市のグリーンビル促進事業などが公募期間内にある一方、北九州市の3E-Action応援事業のように例年7月中旬で終了する制度は確認を急ぐ必要があります。準備は締切の1〜2か月前を目安に、要件確認・書類準備・見積取得の3つの作業から逆算して着手してください。
よくある質問
Q. 福岡県独自の補助金はいつ公募されますか?
A. 福岡県単独の6制度は複数次募集が基本で、単一の締切日は公表されていません。福岡県事業承継に向けた中小企業収益力強化補助金は例年5月中旬〜9月末という実績があります。正式な締切は各制度の公募要領で確認してください。
Q. 市町村の補助金と県の補助金、どちらを先に確認すべきですか?
A. 両方を並行して確認してください。県の制度は複数次募集で締切が区切られる一方、市町村の制度は4月〜翌年2〜3月頃まで長期間受け付けるものが多く、対象になりうる制度は事業所の所在地ごとに異なります。
Q. 2026年7月19日時点でまだ申請できる福岡県内の制度はありますか?
A. 久留米市の4制度、宗像市の3制度、飯塚市の2制度、福岡市のグリーンビル促進事業・省エネ設備導入支援事業、古賀市の太陽光発電設備導入補助金などが公募期間内です。締切は制度ごとに異なるため公式サイトで確認してください。
Q. 北九州市の3E-Action応援事業はまだ間に合いますか?
A. 例年5月中旬〜7月中旬の公募のため、2026年7月19日時点ではすでに終了している可能性があります。申請受付は北九州商工会議所が担当しているため、最新の受付状況を直接確認することをおすすめします。
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