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東京都の補助金はいつ公募される?年間の公募時期と準備のタイミング

執筆:小嶋 譲司株式会社TOE 代表取締役 読了 約12情報時点:2026年7月19日
東京都の補助金はいつ公募される?年間の公募時期と準備のタイミング
この記事が扱う制度の公募状況

結論

  • 東京都独自制度(本記事で確認した91件)のうち、公募開始日が明記されている89件を集計すると、4月開始が38件(全体の約4割)で最多です。都の会計年度が4月始まりであることに対応しています。
  • 次いで多いのが7月(18件)です。これは新規制度の追加公募というより、「令和8年度第3回申請受付」のように年度内に複数回に分けて公募する制度の後続ラウンドが集中しているためです。8月・12月の新規開始はゼロでした。
  • 制度によって「募集期間が数週間しかない短期集中型」「年度末まで通年に近い形で受け付ける長期型」の両方があり、狙う制度がどちらのタイプかで準備開始のタイミングは大きく変わります。2026年7月19日時点で次回(令和9年度分)の公募時期は多くの制度で未公表のため、本記事の月別傾向は「過去実績・現行公募の分布から見た目安」として扱ってください。

東京都独自制度、公募開始月の分布(2026年7月19日時点)

まず、都内中小企業向けに公募中または公募実績のある東京都独自制度91件のうち、公募開始日が個別に確認できた89件について、開始月を集計しました。

開始月件数備考
1月1件
2月1件
3月3件新年度直前の先行公募(木育活動支援事業など)
4月38件新年度予算に基づく一斉公募が集中
5月10件
6月11件
7月18件複数回公募の第2回・第3回ラウンドが集中
8月0件
9月2件
10月1件
11月4件補正予算に基づく追加公募が含まれる
12月0件

集計対象から除いた残り数件は、「例年4月上旬(募集期間が短い)」「例年複数回募集」「通年受付」のように、単一の開始日ではなく募集の性質そのものが公募要領・案内ページに明記されているものです。これらは後述します。

4月と7月で全体の6割強を占めており、この2つの時期を軸に準備スケジュールを組むのが実務上の起点になります。

なぜ4月に開始が集中するのか

東京都の補助金・助成金の財源は、都の一般会計予算に基づいています。都の会計年度は4月1日に始まるため、新年度予算が固まった後、4月上旬から中旬にかけて多くの制度が一斉に公募を開始します。今回のデータでも、4月1日開始が8件、4月15日開始が7件と、特定の日に開始日が集中している点が確認できます。

例えば「令和8年度医療機関におけるAI技術活用促進事業」「令和8年度病院診療情報デジタル推進事業(事務作業支援)」「令和8年度医療機関診療情報デジタル導入支援事業」はいずれも2026年4月15日開始で、同一の予算事業群がまとめて公募開始日を揃えていることがわかります。

一方で「明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金」は、公式情報として**「例年4月上旬(募集期間が短い)」**と明記されており、4月に入ってから公募開始と締切までの期間が短い制度も存在します。この種の制度を狙う場合、公募開始を待ってから準備を始めたのでは間に合いません。前年度のうちに事業計画・見積書・技術資料の骨子を用意しておく必要があります。

年度内に複数回、公募するタイプがある

東京都の助成金の中には、1年度の中で「第1回」「第2回」「第3回」と複数回に分けて申請を受け付けるものがあります。今回のデータでは、次の3制度が「令和8年度第3回申請受付」として2026年7月1日に公募を開始していることが確認できました。

制度名今回確認できたラウンド開始日締切日
東京都正規雇用転換安定化支援助成金令和8年度第3回2026年7月1日2026年7月31日
東京都就職氷河期世代等安定就業サポート助成金令和8年度第3回2026年7月1日2026年7月31日
東京都若者世代職場定着促進助成金令和8年度第3回2026年7月1日2026年7月31日

これら3制度はいずれも締切が公募開始からちょうど1か月後(7月31日)に設定されています。第1回・第2回がいつ実施されたかはこのデータからは確認できませんが、「第3回」という表記自体が、年度内に複数回のラウンドが設定されていることの直接的な証拠です。同様に「事業承継支援助成金」「中小企業デジタル導入促進補助事業」は制度概要に**「例年複数回募集」と明記されており、「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」は「例年複数回(申請予約制)」**とされています。

これらの制度は、ある回の締切を逃しても次回のチャンスがある一方、"予約制"や"複数回"という性質上、事前に次回のスケジュールを公式ページで継続的に確認しておく必要があります。公募回ごとに要件や予算額が変わることもあるため、前回の公募要領をそのまま流用せず、都度最新の要領を確認してください。

通年受付・長期受付型の制度も少なくない

一方で、締切日が数年先、あるいは実質的に通年に近い形で設定されている制度も一定数あります。今回のデータで確認できた例です。

このタイプは「いつ申請するか」よりも「いつ要件を満たすか」が起点になる制度で、雇用継続や環境融資に関する助成金に多く見られます。締切に追われる心配は小さい一方、予算消化状況によって早期に運用が変わる可能性はゼロではないため、申請直前には必ず公式サイトで最新の受付状況を確認してください。

短期集中型の制度は「例年」の情報を手掛かりに動く

「明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金」のように、募集期間が短い制度は、公募開始を知ってから準備するのでは遅れます。この制度は東京都中小企業団体中央会が実施しており、公式発表(2026年2月16日付プレスリリース)でも例年4月上旬の短期公募という運用が案内されています。

このような制度を狙う場合の実務上のポイントは次の3つです。

  1. 前年度の公募要領を早めに入手し、様式・必要書類を確認する。 制度の骨格(対象経費、補助率、上限額)は年度をまたいでも大きくは変わらないことが多いため、前年度要領を土台に準備を進められます。
  2. 技術開発計画・受注証憑など、時間のかかる書類を年度内(1〜3月)に整えておく。 受注型の技術力向上を対象とする制度では、取引先からの証憑取得に時間がかかることがあります。
  3. 公募開始の告知(都のプレスリリース等)を定点観測する。 開始から締切までが短いため、開始日を逃さず把握することが最初の関門になります。

準備はいつから始めるべきか:逆算のスケジュール

4月開始・短期締切型の制度を想定した場合の、逆算での準備スケジュールの目安は次の通りです。あくまで一般的な申請実務の流れであり、制度ごとの具体的な提出書類・様式は必ず各制度の公募要領で確認してください。

時期やること
前年度1〜2月過去の公募要領を確認し、対象要件・必要書類の一覧を作成
前年度2〜3月事業計画・収支計画の骨子を作成、必要な見積書・証憑の手配を開始
新年度4月上旬〜中旬公募開始の告知を確認し、様式が更新されていれば差し替え
公募開始後電子申請システム(jGrantsやGビズID等)のアカウント準備、申請書の最終調整
締切1週間前添付書類の不備チェック、提出

複数回募集型(第1回・第2回…)を狙う場合は、この逆算サイクルを年に複数回まわす前提で、通年で情報収集の体制を維持しておくのが実務的です。

今回のデータから見える「狙い目」の考え方

91件のうち約4割が4月開始である一方、8月・12月に新規公募がゼロだったことは、裏を返せば**「夏から冬にかけては、通年受付型や複数回募集の後続ラウンドを除くと新規の公募自体が少ない」**ということでもあります。この時期は新規公募を待つより、次年度4月に向けた準備期間として使う方が合理的です。

逆に、2026年7月19日時点で締切が7月末〜9月上旬に迫っている制度(例:中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業〈2026年7月31日締切〉、R8年度第1回 インキュベーション施設支援機能強化事業助成金〈同〉など)は、今まさに準備を急ぐべき対象です。締切間際の制度に手を出す場合は、書類の抜け漏れが採択可否に直結しやすいため、公募要領のチェックリスト化を優先してください。

全国制度と東京都独自制度、準備の考え方の違い

ここまで見てきた東京都独自制度に加えて、都内の事業者は「ものづくり補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」「事業再構築補助金」といった国の全国制度も併用できます。全国制度は公募回(第◯次締切)ごとにスケジュールが公表される運用が一般的で、東京都独自制度の「年度単位で4月に一斉開始」という運用とは性質が異なります。

実務上のポイントは、両者を別のカレンダーで管理することです。東京都独自制度は「4月」「7月前後の複数回ラウンド」を軸に、全国制度は各事務局が公表する次回締切を軸に、それぞれ別に情報収集する必要があります。同じ設備投資でも、東京都の「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」と国の「ものづくり補助金」のどちらが自社の投資内容に合うかは、対象経費・補助率・上限額を公募要領で比較したうえで判断してください。単純にどちらか一方だけを見て準備を進めると、より条件の良い制度を取りこぼす可能性があります。

締切が近い制度を追いかける際の注意点

2026年7月19日時点で締切が近い制度に飛びつく前に、次の3点は必ず確認してください。

  1. 対象経費が自社の投資内容と一致しているか。 制度名だけで判断せず、公募要領の「補助対象経費」欄を必ず確認します。例えば同じ「設備投資」でも、対象が機械装置に限られる制度と、ソフトウェアも含む制度があります。
  2. 補助率と上限額が、実際に必要な投資規模に見合っているか。 上限額が投資額を大きく下回る制度に、書類作成の労力をかけすぎるのは非効率です。
  3. 交付決定前の発注・契約が補助対象外になっていないか。 多くの補助金・助成金は、交付決定の通知を受け取る前に発注・契約・支払いを済ませてしまうと、その経費が補助対象から外れます。締切間際に慌てて発注しないよう、スケジュールには交付決定日を必ず組み込んでください。

これらは今回集計した91件の東京都独自制度に共通する一般的な留意点であり、個別の可否は必ず各制度の公募要領で確認する必要があります。

まとめ

  • 東京都独自制度は4月開始が最多(確認できた89件中38件)で、都の会計年度に対応した新年度一斉公募が中心です。
  • 7月も公募開始が多い時期ですが、これは新規制度というより、複数回募集の第2回・第3回ラウンドが集中しているためです。
  • 「明日にチャレンジ」のように募集期間が短い制度は、公募開始前の前年度から準備を始める必要があります。
  • 通年受付・長期受付型の制度は締切に追われにくい反面、申請前には必ず最新の受付状況を確認してください。
  • 次回(令和9年度)以降の具体的な公募スケジュールは2026年7月19日時点で多くの制度が未公表です。本記事の月別傾向は過去実績・現行公募の分布に基づく目安であり、実際の申請時は必ず各制度の公式公募要領で最新情報を確認してください。

よくある質問

Q. 東京都独自の補助金はいつ公募されますか?

A. 2026年7月19日時点で確認できた東京都独自制度91件のうち、公募開始日が判明する89件を集計すると4月開始が38件と最多です。都の会計年度が4月始まりであることに対応しています。次いで7月(18件)にも開始が集中していますが、これは複数回募集の第2回・第3回ラウンドが中心です。

Q. 7月にも新規公募が多いのはなぜですか?

A. 「東京都正規雇用転換安定化支援助成金(令和8年度第3回申請受付)」など、年度内に複数回に分けて申請を受け付ける制度の後続ラウンドが2026年7月1日に集中して開始しているためです。新規制度が7月に増えているわけではありません。

Q. 募集期間が短い制度への準備はいつから始めればいいですか?

A. 「明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金」は例年4月上旬開始・募集期間が短いと公式に案内されています。このタイプは前年度1〜3月のうちに事業計画や見積書など時間のかかる書類を整えておく必要があります。

Q. 締切に追われない東京都の助成金はありますか?

A. 「東京都中小企業障害者雇用支援助成金」のように通年受付の制度や、「東京都障害者安定雇用奨励金」(2025年4月1日〜2034年3月31日)のように受付期間が長期に設定された制度もあります。ただし申請直前は必ず最新の受付状況を公式サイトで確認してください。

この制度は、AI・システムの導入にも使えます対象になる経費とならない経費、落ちる計画の共通点を整理しました。

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