この制度の実務 サイバー対策促進助成金を申請する前に押さえること サイバー対策促進助成金で何ができるか 東京都中小企業振興公社が実施する、都内中小企業向けのセキュリティ投資支援制度です。SECURITY ACTION二つ星を宣言済みであることが前提条件で、その状態でセキュリティ機器の導入費用またはクラウド利用費の一部を助成します。SECURITY ACTIONはIPAが実施するセキュリティ対策の自己宣言制度であり、二つ星はその上位段階にあたります。
助成上限は500万円(下限10万円)、補助率は対象経費の1/2以内です(2026年9月2日時点)。年数回の公募制で、各公募ごとに申請窓口が開きます。
全国向けの補助金とは別に存在する東京都独自の制度であり、東京都内に本社または事業所を持つ中小企業に限定されます。都内に拠点を持つ事業者にとっては、国の補助金とは別軸でセキュリティ投資を支援してもらえる選択肢になります。対象経費の具体的な範囲や手続きの詳細は、各公募の公募要領で確認してください。
対象になる経費・ならない経費 根拠データに記載されている対象経費は「セキュリティ機器の導入費用」と「クラウド利用費」の2種類です。
セキュリティ機器の導入については、何が「セキュリティ機器」として認められるか(ハードウェアの購入費のみか、設置・設定費用を含むかなど)は公募要領の経費区分で確認してください。クラウド利用費については、初期費用のみが対象か月額利用料を含むかなど、対象となる費用の範囲も公募要領に記載されます。
対象外となる経費の区分、見積書の様式・取得先要件、税込み・税抜きの取り扱いなども公募要領に定義されます。契約や発注を行う前に、公募要領で対象経費の範囲を確認することが必要です。交付決定前に支出した経費は対象外となるため、発注のタイミングについては「flow(申請の流れ)」の項を参照してください。
申請の要件と必要な書類 申請の前提要件として、SECURITY ACTIONの二つ星を申請時点で宣言していることが必要です。宣言はIPAのウェブサイトから自己宣言で行え、受付番号が発行されます。この受付番号が申請書への記載に必要になるため、宣言がまだの場合は公募開始前に手続きを完了させてください。
所在地要件として、東京都内に本社または事業所を持つ中小企業者等であることが必要です。中小企業者等に該当するかどうかは業種・資本金・従業員数によって定義が異なります。自社が該当するかは公募要領の定義で確認してください。
申請に必要な書類の一覧と様式は、公募ごとに発行される公募要領に記載されます。公募が開いたら公募要領を精読し、提出書類の種類と提出期限を最初に把握することが実務上の出発点になります。
申請から入金までの流れ 申請から入金までの流れは「①公募期間中に申請書を提出 → ②審査・交付決定通知の受領 → ③対象経費の発注・支払い → ④実績報告書の提出 → ⑤助成金の入金」です。
最も重要な順序のルールは、②交付決定通知を受け取る前に③の発注・支払いを行わないことです。交付決定前に発注した経費は対象外になります。「申請したから採択されるだろう」という見込みで先行発注することは受給資格を失うリスクがあります。必ず交付決定通知が届いてから発注してください。
実績報告では、支払い済みであることの証憑(領収書・振込記録等)と、導入した機器・サービスが申請内容と一致することの確認が行われます。証憑の欠落は入金を遅らせる原因になるため、発注段階から書類を整理しておくことが必要です。
各段階の締切、提出書類の様式、提出先は公募要領で確認してください。
ここで落ちる・ここで詰まる 申請が受け付けられない・助成金を受け取れないケースを根拠データの範囲で整理します。
SECURITY ACTION二つ星の宣言が申請時点で完了していない場合は要件を満たしません。公募開始後に宣言しても受付番号の取得が間に合わない場合があるため、公募開始前に完了させておく必要があります。
東京都内に本社・事業所を持たない事業者は対象外です。都外に本社があり都内事業所のみの場合に要件を満たすかどうかは公募要領で確認してください。
助成対象経費の合計が下限の10万円(2026年9月2日時点)に満たない場合は申請できません。
年数回の公募制であるため、公募期間を見逃すと次回まで申請機会がありません。東京都中小企業振興公社の公式サイトで公募開始を定期的に確認することが必要です。
交付決定前の発注・支払いは、審査を通過していても助成金を受け取れない原因になります。この点は見落としやすく、かつ取り返しがつきません。
サイバー対策促進助成金のよくある質問Q. SECURITY ACTIONの二つ星をまだ宣言していません。今から宣言して今回の公募に間に合いますか? A. 申請時点で二つ星の宣言が完了しており、受付番号を取得していることが必要です。公募の締切直前に宣言しても受付番号の取得が間に合わない場合があります。公募が開く前に宣言を完了させておくことを推奨します。宣言はIPAのウェブサイトから行えます。
Q. 本社は東京都外ですが、都内に営業所があります。申請できますか? A. 「東京都内に本社・事業所を持つ」ことが要件とされています。都外本社・都内営業所のみのケースで申請が認められるかどうかは、公募要領で確認するか、東京都中小企業振興公社に直接問い合わせてください。事業所における事業活動の実態が問われる可能性があります。
Q. 導入したい機器の費用が10万円未満です。他の経費と合算して申請できますか? A. 助成対象経費の合計が下限の10万円(2026年9月2日時点)以上であることが申請の条件です。複数の機器やサービスを合算して1件の申請として扱えるかどうか、その計上ルールについては公募要領で確認してください。
Q. 次の公募はいつ始まりますか? A. 年数回の公募制であることは確認されていますが、次回公募の具体的な日程は2026年9月2日時点で確認できていません。東京都中小企業振興公社の公式サイト(https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/cyber.html)で随時公表されます。
この解説は2026年9月2日時点の公募要領・掲載データにもとづきます。 申請前に必ず最新の公募要領で確認してください。