この制度の実務介護休業給付金を申請する前に押さえること
介護休業給付金で何ができるか
介護休業給付金は、要介護状態にある対象家族を介護するために休業した雇用保険被保険者に対し、休業中の収入減を補填する制度です(2026年9月8日時点)。介護にかかった費用を補助する仕組みではなく、休業した本人が受け取る収入補填です。
支給額は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で算出されます。対象家族1人につき通算93日を上限とし、最大3回まで分割取得できます。一度まとめて取得することも、介護の状況変化に応じて複数回に分けることも可能です。
申請は事業主経由でハローワークに行います。本人がハローワークに直接申請する仕組みではないため、休業の意思が固まった段階で勤め先の人事・総務部門に連絡を入れることが申請の第一歩です。職場を辞めずに雇用を維持したまま介護に専念できる期間を確保する制度として設計されています。
対象になる経費・ならない経費
介護休業給付金は、介護にかかった費用の実費補填ではありません。給付の対象は「休業期間中に失われた賃金相当分の一部」であり、「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」が基本の支給額です(2026年9月8日時点)。領収書を提出して精算する仕組みはありません。
一方、支給額が減額またはゼロになる条件があります。休業中に賃金が支払われている場合、その賃金額が休業開始時賃金の80%以上に達すると給付は支給されません。また、休業期間中に月10日を超えて就業した月は、その月の給付を受けられません。
休業中に一部就労する場合は、賃金額と就業日数の両方がこの条件に抵触しないかを事前に確認する必要があります。賃金支払い記録と出勤日数の記録は、事業主が申請書類を作成する際の根拠資料になるため、正確に管理しておくことが求められます。
申請の要件と必要な書類
支給を受けるための条件は2点です(2026年9月8日時点)。
1つ目は対象家族の状態要件です。介護する家族が「2週間以上にわたり常時介護を要する状態」にあることが必要です。「常時介護を要する状態」の具体的な認定基準や、それを証明するために必要な書類については申請先のハローワークで確認してください。
2つ目は被保険者期間の要件です。「一定の被保険者期間がある人」とされています。具体的な算定基準は公式ページまたはハローワークで確認してください。
申請は事業主経由で行うため、休業開始前に勤め先へ介護休業の取得申出を行う手続きが先行します。申請に必要な書類の種類と書き方については、担当のハローワークに問い合わせることを推奨します。事業主が申請書類を作成するにあたり、本人側が用意する書類が発生する場合があります。
申請から入金までの流れ
介護休業給付金は、休業終了後に事後申請する制度です。申請前に休業を実施することが前提になります(2026年9月8日時点)。
第1段階:休業開始前に事業主へ介護休業の取得を申し出ます。この申出が給付を受ける前提となります。
第2段階:介護休業を取得します。この期間中の賃金と就業日数の実績が給付額に直接影響します。
第3段階:休業終了後、事業主がハローワークへ申請書類を提出します。期限は「介護休業終了日から2か月以内」です。この期限を過ぎると申請が受理されない可能性があります。
第4段階:ハローワークが支給・不支給を決定し、支給の場合は本人口座に振り込まれます。入金までの所要期間はハローワークで確認してください。
分割取得する場合は、休業が終わるたびに1回分の申請手続きが発生します。3回分割なら申請も3回です。期限の起算点はそれぞれの休業終了日になります。
ここで落ちる・ここで詰まる
支給を受けられない・申請が詰まる主なポイントは次のとおりです(2026年9月8日時点)。
賃金ラインの超過:休業期間中に受け取った賃金が休業開始時賃金の80%以上になると給付はゼロになります。休業中に一部就労を予定している場合は、賃金がこのラインを超えないかを事前に確認することが必要です。
就業日数の超過:月10日を超えて就業した月はその月の給付が受けられません。出勤日数の把握と記録は給付額に直結します。
期限超過:申請期限は「介護休業終了日から2か月以内」です。申請手続きは事業主が行いますが、担当者の確認漏れや手続き遅延により期限を過ぎるケースが起こりやすい箇所です。休業終了が近づいたら、本人から勤め先の担当部署に申請手続きの進捗を確認することを推奨します。
事業主経由であることの盲点:本人がハローワークに直接申請できないため、勤め先が手続きを把握していない場合に申請が滞ります。休業開始前の段階で担当部署と申請フローを共有しておくことが必要です。
介護休業給付金のよくある質問
Q. 3回の分割取得はどのように使えばよいですか?
A. 対象家族1人につき通算93日の範囲内で、3回まで分けて休業を取得できます(2026年9月8日時点)。1回目の休業が終わった後、しばらく経ってから2回目の休業に入ることも可能です。1回あたりの最低日数や具体的な運用条件はハローワークで確認してください。
Q. 休業中に少し仕事をした場合、給付はどうなりますか?
A. 就業日数が月10日以下で、かつ休業期間中の賃金が休業開始時賃金の80%未満であれば支給対象です(2026年9月8日時点)。就業日数が月10日を超えた月、または賃金が80%以上になった月は、その月分の給付が受けられません。就業の形態にかかわらず日数としてカウントされます。
Q. 申請は自分でハローワークに持ち込めますか?
A. この給付の申請は事業主(勤め先)経由でハローワークに行う仕組みです(2026年9月8日時点)。本人が単独でハローワークに申請することはできません。制度を使う意思が固まったら、まず勤め先の人事・総務担当に連絡することが最初のステップです。
Q. 休業終了後、いつまでに申請すればよいですか?
A. 申請期限は「介護休業終了日から2か月以内」です(2026年9月8日時点)。申請手続きは事業主が行います。期限超過を防ぐため、休業終了が近づいたら勤め先の担当部署に申請の開始を確認することを推奨します。
この解説は2026年9月8日時点の公募要領・掲載データにもとづきます。 申請前に必ず最新の公募要領で確認してください。