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2026年度に注目すべき補助金まとめ

執筆:小嶋 譲司株式会社TOE 代表取締役 読了 約11情報時点:2026年8月13日
2026年度に注目すべき補助金まとめ
この記事が扱う制度の公募状況

結論

2026年度は、ものづくり補助金と新事業進出(旧・事業再構築)補助金が統合された「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」がスタートし、IT導入補助金も「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更されるなど、制度の再編が進んでいます。既存制度の名称・要件を前提に資料を集めていた事業者は、まず自社が使おうとしていた制度がどの新制度に統合されたのかを確認する必要があります。制度は改正される可能性があるため、最終的には必ず公式の公募要領を確認してください。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

ものづくり補助金と中小企業新事業進出補助金が統合されました。

対象補助上限実施期間
革新的新製品・サービス枠技術的革新性のある新製品・新サービス開発3,500万円10ヶ月
新事業進出枠既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出9,000万円14ヶ月
グローバル枠海外市場開拓に向けた国内体制強化9,000万円14ヶ月

共通要件として、3〜5年の事業計画で付加価値額・賃上げ・最低賃金に関する目標達成が求められ、申請にはGビズIDが必須です。新製品開発や新規事業への大きな投資を計画している事業者向けです。

公募スケジュール(2026年7月19日時点)

第1回公募は2026年8月31日〜2026年9月30日の受付予定です。公式情報では上限額は「革新的新製品・サービス枠2,500万円(賃上げ特例3,500万円)」「新事業進出枠・グローバル枠7,000万円(同9,000万円)」、補助率は中小企業1/2(要件により2/3)、小規模事業者2/3、グローバル枠2/3とされています。上記の表の上限額は賃上げ特例適用時の金額であり、通常時はこれより低い点に注意してください。

なお前身のものづくり補助金は第23次公募(2026年4月3日〜5月8日)で締め切り済みで、次回の公募日程は本稿執筆時点で未公表です。新制度への切り替えにより、これまでものづくり補助金の申請書式・実績で準備を進めていた事業者は、新様式に合わせた事業計画の作り直しが必要になる可能性があります。

参考:ものづくり補助金の採択率推移(公表値より算出、2026年7月19日取得)

新制度の審査傾向を予測する材料として、前身制度の採択率も確認しておくと判断材料になります。

公募回公募締切申請件数採択件数採択率
第15次2023-09-295,694件2,861件50.2%
第16次2024-01-195,608件2,738件48.8%
第17次2024-05-20629件185件29.4%
第18次2024-06-255,777件2,070件35.8%
第19次2025-07-285,336件1,698件31.8%
第20次2025-10-272,453件825件33.6%
第21次2026-01-231,872件638件34.1%
第22次2026-04-301,552件582件37.5%

全22回平均は47.5%、直近5回平均は34.6%です。回を追うごとに採択率が下がる傾向があり、直近では30%台前半〜半ばで推移しています。制度統合直後の第1回公募は申請件数の予測が難しく、採択率がどう動くかは現時点で判断できません。事業計画の完成度を高めることが、これまで以上に重要になると考えられます。

実務で気をつけたいポイント

  • GビズIDプライムアカウントは取得後すぐに使えるわけではないため、申請枠を決めたら早い段階で取得手続きに着手する。
  • 「革新的新製品・サービス枠」と「新事業進出枠」は狙いが異なるため、自社の取り組みがどちらの定義に該当するかを公募要領の記載で必ず照合する。
  • 賃上げ特例による上限引き上げは、賃上げ目標の達成が前提条件になるため、達成できなかった場合の返還リスクも含めて計画を立てる。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)

IT導入補助金は2026年度から名称が変更され、AI搭載ツールの導入も明確に支援対象となりました。バックオフィス効率化やAI活用を小さく始めたい事業者向けです。

現在の公募状況(2026年7月19日時点)

2026年度のデジタル化・AI導入補助金は、通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠が2026年3月30日〜7月21日で受付を終えています。2026年8月13日時点で申請できるのは複数社連携枠のみで、締切は2026年8月25日17時です。 次回公募の日程は未公表です。上限額は最大450万円で、申請枠により変動し、補助率は1/2〜4/5の範囲で枠・従業員規模・賃上げ要件により変わります。

すでに導入予定のITツール・AIツールが決まっている事業者は、今回の締切には間に合わない可能性が高いタイミングです。無理に今回の締切に合わせず、次回公募(現時点で日程未公表)に向けて、ITベンダーとの相見積もり取得や事業計画の作成を先に進めておくのが現実的です。

ここで落ちやすいポイント

  • 補助対象になるITツールは、事務局に事前登録された「IT導入支援事業者」が提供するものに限られる。導入したいツールがまだ登録されていないと対象外になる。
  • 補助率・上限額は申請枠(通常枠/インボイス枠/セキュリティ対策推進枠)で異なるため、自社の目的(会計のインボイス対応か、サイバーセキュリティ対策か等)に合った枠を選ぶ必要がある。
  • 賃上げ要件を満たすと補助率・上限が上がる設計のため、賃上げ計画と申請枠の組み合わせを事前に整理しておく。

小規模事業者持続化補助金

持続化補助金は販路開拓・業務効率化を支援する制度です。他の制度に比べて申請書類の負担が小さいのが特徴。個人事業主・小規模事業者のチラシ制作、ECサイト開設、店舗改装など小規模な投資向けです。

次回の第20回公募(一般型・通常枠)は2026年11月5日〜12月15日の受付予定です(2026年7月19日時点の公式情報)。上限額は通常枠50万円(特例適用で最大250万円)、創業型200万円、共同・協業型は最大5,000万円で、補助率は2/3(赤字事業者は3/4)です。公募までまだ数ヶ月あるため、事業計画の作成やチラシ・ECサイトなど投資内容の見積もり取得を、この期間に済ませておくと締切直前の駆け込みを避けられます。

上限額の幅が大きい制度なので、「通常枠50万円で足りるのか」「特例の適用条件を満たせるのか」を早い段階で見極めることが、事業計画の作り直しを防ぐポイントです。

中小企業省力化投資補助金

省力化投資補助金は人手不足に対応する省力化設備の導入を支援します。カタログ型と一般型があり、後者の方が補助上限は大きくなります。人手不足が深刻で、定型的な省力化設備の導入から着手したい事業者向けです。

現在の公募状況(2026年7月19日時点)

一般型は第7回公募(2026年7月1日〜7月31日)が締切済みで、2026年8月13日時点で第8回の日程は未公表です。上限額はカタログ型が500万〜1,500万円(賃上げ時)、一般型は最大1億円で、補助率は1/2(小規模事業者・賃上げ時は2/3)です。

カタログ型と一般型の使い分け

項目カタログ型一般型
対象設備事務局に登録済みの省力化製品カタログから選定オーダーメイドの設備・システムも対象
補助上限500万〜1,500万円(賃上げ時)最大1億円
審査の負担比較的軽い(カタログから選ぶため)個別の事業計画審査が必要で重い
向いている事業者定型的な省力化ニーズがある事業者大規模投資・独自設備が必要な事業者

カタログ型は「どの製品が対象になっているか」を先に確認してから投資計画を立てる方が手戻りが少なくなります。一般型は補助額が大きい分、事業計画の作り込みに時間がかかるため、締切直前に着手すると間に合わない典型的な失敗パターンです。

キャリアアップ助成金

非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善に取り組む事業主向けの助成金です。パート・契約社員が多く、正社員登用や待遇改善を進めたい事業者向けです。

令和8年度は通年・随時受付で、正社員化コースの上限額は1人あたり最大80万円程度(重点支援対象者・中小企業の場合)、支給は定額支給(コース・企業規模により固定)です。補助金と異なり公募期間に締切がなく随時申請できる分、就業規則の整備や転換制度の運用実態など、申請時点で満たしておくべき要件を後回しにしがちな点に注意が必要です。

業務改善助成金

事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げ、あわせて設備投資を行う中小企業を支援します。最低賃金引き上げの原資と設備投資費用を同時に確保したい事業者向けです。

令和8年度は公募予定で、受付開始は2026年9月1日からとされていますが、終了日は本稿執筆時点で未公表です。上限額はコース・引き上げ対象人数により最大600万円程度まで変動し、補助率は事業場内最低賃金水準により3/4〜4/5です。賃上げ額と設備投資内容の両方を確定させたうえで申請する制度のため、賃上げのタイミングと設備の発注・納品のスケジュールを事前にすり合わせておく必要があります。

どの制度をどの事業者が狙うべきか

事業者のタイプ狙うべき制度の目安
新製品開発・新事業への進出を計画中新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
AI・ITツールで業務効率化したいデジタル化・AI導入補助金(次回公募待ち)
小規模な販路開拓(EC・チラシ・店舗改装)小規模事業者持続化補助金
人手不足で省力化設備を導入したい中小企業省力化投資補助金
非正規社員の正社員化・待遇改善キャリアアップ助成金
最低賃金引き上げとあわせた設備投資業務改善助成金

締切カレンダー(2026年7月19日時点で確認できる分)

制度受付終了/開始本日からの目安
デジタル化・AI導入補助金(複数社連携枠)受付終了 2026-08-25残り12日
デジタル化・AI導入補助金(通常枠ほか)受付終了 2026-07-21締切済み・次回未公表
中小企業省力化投資補助金(一般型・第7回)受付終了 2026-07-31締切済み・次回未公表
新事業進出・ものづくり補助金(第1回公募)受付開始 2026-08-31約2週間後に開始
業務改善助成金受付開始 2026-09-01約3週間後に開始
小規模事業者持続化補助金(第20回)受付開始 2026-11-05約3ヶ月後に開始

間近に締切が迫っている制度と、これから公募が始まる制度が混在しているのが2026年夏時点の特徴です。今すぐ動かないと間に合わない制度と、準備期間がまだある制度を区別して、優先順位をつけて取り組むことが重要です。

制度選びで失敗しないためのチェックリスト

  • 自社の投資目的(新事業/IT化/販路開拓/省力化/賃上げ)を先に一つに絞れているか
  • 検討している制度の公募が「公募中」「公募予定」「締切済み」のどれかを確認したか
  • 申請に必要なID(GビズID等)やアカウントを持っているか、なければ取得に着手したか
  • 補助上限額が「通常時」の金額か「特例適用時」の金額かを区別できているか
  • 採択後に必要な実績報告・賃上げ目標達成などの事後要件を理解しているか

これらを事前に整理せずに公募要領を読み始めると、自社に合わない枠で申請書を書き進めてしまい、締切直前にやり直すことになりがちです。

まとめ

2026年度は制度統合・名称変更が相次いだ年です。自社の投資目的を明確にしたうえで該当する制度を選ぶことが、遠回りをしないための第一歩です。特にデジタル化・AI導入補助金と中小企業省力化投資補助金(一般型)は締切が目前に迫っており、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金や業務改善助成金はこれから公募が始まる段階です。公募回・要件・補助上限は今後変更される可能性があるため、申請前に必ず所管省庁の最新の公募要領を確認してください。

よくある質問

Q. デジタル化・AI導入補助金はいつまで申請できますか?

A. 2026年度のデジタル化・AI導入補助金(通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠)は2026年3月30日から受付が始まり、2026年7月21日に締め切られます(2026年7月19日時点の公式情報)。次回公募の有無は現時点で公表されていないため、検討中の事業者は早めに公式サイトで最新情報を確認してください。

Q. ものづくり補助金の採択率はどのくらいですか?

A. 公表値をもとに算出すると、全22回の平均採択率は47.5%、直近5回平均は34.6%です(2026年7月19日時点、ポータルサイト公表値より算出)。回によって30%台前半まで下がっており、年々競争が厳しくなる傾向がみられます。後継の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金でも同程度の競争が続く可能性があります。

Q. 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の申請にはGビズIDが必要ですか?

A. はい、必須です。共通要件として3〜5年の事業計画で付加価値額・賃上げ・最低賃金に関する目標達成が求められ、申請にはGビズIDの取得が前提となります。未取得の場合は、第1回公募(2026年8月31日開始予定)に間に合うよう早めに取得手続きに着手する必要があります。

Q. 中小企業省力化投資補助金のカタログ型と一般型はどちらを選ぶべきですか?

A. カタログ型は事前登録された省力化製品から選ぶ仕組みで、補助上限は500万〜1,500万円(賃上げ時)です。一般型は補助上限が最大1億円と大きい代わりに個別の事業計画審査が必要になります。定型的な設備で足りるか、独自設備が必要かが選択の目安になります。

この記事で取り上げている制度

上限額・補助率・締切・公式の公募要領へのリンクは、それぞれの制度ページにまとめています。

この制度は、AI・システムの導入にも使えます対象になる経費とならない経費、落ちる計画の共通点を整理しました。

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